第1088話「紛れ込んだ悪意を」

「これだけ多くの人間がいる以上綻びはむしろ必然か……それならリスクは最小限で行くしかないということだな」


「正直にいうと見つからずにたどり着けるかどうかは運任せです。可能性を計算でみ言えだせないほど、間者の能力は想像を遥かに凌駕しています。お兄様に聞くまではその存在すら気づくことはできませんでした」


「もうすでに紛れ込まれた後であるというのであれば、今更不安を蒸返しても仕方がない。今できることだけをやればいい」


「そうですね。申し訳ありません」


「気にすることなどありはしない」


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