第1071話「強運の持ち主」
「確かにアマト君が言う通り、先代が今まで積み重ねてきた功績と信頼をそのまま利用させてもらったに過ぎない。今となっては、目覚めたとき最初に出会った相手が王家の人間でなかったら私はここにはいなかっただろうね。それどころか、生きていられたかも怪しいところだよ」
「ただの人だとは言ったがな。それでも、おそらく今と状況は変わってなかっただろうな。第一、王家でなければ遺跡調査は大々的には行えなかったんじゃないか? もしもの話なんてしていても仕方がないが、世の中運がいい奴ってのは、プロセスなんて関係なくベストな結果を出すものだろ」
ユリフィスは確かな強運の持ち主なのは間違いない。
物語の主人公を中心にストーリーが進行するように、この国は間違いなくこの男なしでは成り立たないと言える。
もちろん、自分以外の全ての人間を中心とした物語がある。
しかし、大小、優越は必ず存在する。
家から一歩も出ず、寝ているだけの人間と外を走り回り日々新しい出来事に直面する人間とでは必然的に物語の質が異なる。
それでも、人は平等だというのなら努力することに意味などない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます