第1049話「まるで別の文明のよう」

 この入り組んだ坂道を正確に登っていくことができる彼女を素直に優れた記憶力を持っていると感じた。

 それに、たんたんと話しているようで、ストーリーがしっかりとしていて、知的さがある。

 なによりも注目すべきはこの急な勾配でもまったく息を切らせる様子もなく、上がっていくのだから身体能力は決して低くはない。

 

「実際に移籍を見たんだな」


「はい。地中深くなので、兄と一緒に一度だけ見ただけですがそれはこの世界とはまるで別の世界のようでした。地上の文化と明らかに別の文化で、一目見ただけで根本的に違うと理解できました。あれは、本当に私たちと同じ人間が作り上げたのかと思うと信じることはできませんでしたから」

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