第1050話「まるでオーパーツ」


 元居た世界でもオーパーツと呼ばれた技術の存在はよのなかを震撼させたのは覚えている。

 そこに至るまでの過程が明らかにされていないことが、人々を興味とさらなる高みへと誘った。

 天才だともてはやされている人間ですらその本質を見抜くことができず、明らかにされていない古代の遺産は無数にあったのだ。


 この世界で掘り出されたエレベータもそれに値する。

 作った人間から見ればたわいもないものでも、これまで一度も見たこともなければ生きてきた環境が違えばその緒すら見つけることができない。

 そうかんがえれば、自分のいた世界が、どれだけ恵まれていたのか身に染みて理解できる。

 

 すでに先人たちが答えを準備しているだけならまだしも、基礎を小教育で教え込むのだ。

 そこには身分や金銭的な差など関係がない。

 ただ本人の意思と周囲の環境があればよい。

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