第1024話「遅ればせながら、帰ってまいりました」

「もうしばらくすれば兵は戻ってまいりますので、お泊りの宿へお急ぎください。私はご報告に戻りますのでここで失礼いたします」


「助かった。それと、あらためて会いに行くと言っておいてくれ」


「お伝えいたします」


 メイドが立ち去ることを確認もせず宿へと急ぐ。

 結局、日をまたぐことになってしまった。

 しかし、夜が明けるまでに首都に辿り着いたのだから実際に村に滞在していた時間はものの数分といえる。

 

 これほどまでに戦闘が短く終わることは想定していなかった。

 人の命なんてものは失うときは一瞬だということを思い知る。

 それでいて忘れ去られるのも早い。


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