第1001話「真意を聞かせてもらうまでは」

「待って!!」


 髪の毛お化けは、驚いたのがわかるほどに髪が舞い上がった。

 まるで髪の毛一本一本まで命が宿っているかのようであった。

 不覚にも俺は感情を揺さぶられた。


「わ、わたしは……」


「あなたがやったことは許せないのはここにいるみんなと一緒、だけど……あなたが本当に悪人だって思えないの。自分でもおかしいって思う。だから間違ってないって思わせて」


「言い訳のしようもありません」


「そんなことを聞いてない。真意を聞いているんだよ。ユイナが止めなければ俺はなにも気が付かなかった……、いや、違うな。知らないふりをしていた」

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