第1002話「終わる村」

「もう、数千年も時が過ぎたというのに鮮明に覚えています……あの日のことを……わ、私が私でなくなった日を……」


「この村のことと関係あるんだな」


「はい……もうこの村は死んでいるんです。死と再生を永遠に繰り返しているんです。でも、もうそれも終わりました。私が村を維持していたんです。だから、正気を取り戻してしまった今なら、村は崩壊するしかないんです」


 村人たちも俺たちに反応を示さなかったのも、普段と変わらない生活を続けていたのも納得できる。

 この村を囲んでいた禍々しいオーラは所謂鳥かごだったのだ。

 ならばもう、安正てやればいい・

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