第975話「振り向く必要はない」

 俺は無我夢中で駆けつけルナを羽交い絞めにする。

 ディアナは不気味な何かに触れられたことで消失した。

 それは彼女が最後に口の動きで辛うじて読み取れたからこそ、結論に至った。


 だれもあれに触れてはならない。

 闇夜に漂ううつろな影には実態がある。

 しかし、全容は見えない。


「ルナ振り返る必要はないが、ただ落ち着いてくれればいい」 


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