第974話「時の彼方へと」

「ボクは、ボクが? 負けたって!? 取り返しのつかないことをしたっていうのなら!!」


 ルナはアマトに背を向ける。

 アマトでさえ心の奥底では意のままにできる存在だという侮りがあった。

 そのそれがこの顛末だというのならば、心を預けた者に顔向けができないと、自分の中の少女が思った。


 少女もまた、稀代の英雄に恋をしていた、

 それが悪魔と人間の深い絆を呼び覚ます。

 そして超えられない、境界線を地平の彼方へと追いやった。


 

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