第946話「動かざるべきか」

 スペラは態度とは裏腹に冷静だった。

 アマトは絶対的な神と同等かそれ以上の存在としているのだから、それに反する動きがあれば良しとすることはできはしない。

 しかし、ルナはアマトにとって最良であるというのであればそれを強行する用意がある。


 ディアナは今目の前にいる少女のためにできることを考えていた。

 そこに可能性があるというのならば、試す価値があるという認識は覆らない。

 追う者の宿命の呪縛に引きずられているに過ぎない。


 スミレは迷っていた。

 出会ったばかりだからこそ、判断がつかない。

 アマトに従うべきか、此処にいる新しい仲間と行動を共にすべきか。

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