第926話「責任の在処」

 建物の外までメイドは送り届けると、いつの間にか姿を消していた。

 物陰から奴隷商人の姿を見た気がしたがおそらくそれは、見間違えではない。

 最初から最後まで奴の思い通りに動いていたにすぎない。


 しかし、それが間違った選択だとは思えない。

 それなのに、ユイナは俺と違った見解をしてると見える。

 いつも俺の考えに皆同調しているが、だからと言って何も考えなしというわけではない。


「アマト、私はすぐに助けてあげたい。それが、最善じゃなくても……国王の思い通りだったとしても……」


「ユノンを助けるために、呪術師を直ぐに討ちに行く。ユイナに言われたからじゃない、俺の考えが変わっただけだということははっきり言っておく」



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