第889話「失った瞳の奥に」

「この状況の説明……、してくれるかな?」


「私の回復魔法でもすでに欠損しているところまで元には戻せません。それにしても、どうしてこんなことになったのかを教えてもらえますか?」


 口々に俺への質問が飛び交うが、その当人でさえまったく知らされていない以上答えようがない。

 髪で隠れていたからこそ見えないことでごまかしてきたが、少女には右の眼球がなかった、

 痛々しく見える。


 同情したところで何かが変わることもない。


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