第883話「目を覚ました時に後悔するなんて悲しい」

 自分の今の状況になって初めて周囲にも奴隷がいることに気が付く。

 それも不当な扱いを受けている様子はなく、差別も偏見も見受けられない。

 誰しもが向上心の上に生きているため、自分よりも何らかの形でマイナス要素があったとしてもそれにとらわれている様子がないのだ。

 

「この街で過ごすのが幸せなら俺はそれでもかまわないと思う。意識がなくても耳から聞こえた音は何らかの形で響くと俺は思ってる。目を覚ました時そこに自由を約束する」


「…………」


 目を覚ました時に後悔するなんて悲しい。

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