第839話「見落とし」

 時間のたつのが早いように、状況は目まぐるしく変わっていく。

 留まれる残された時間は限られているというのに、一向に当初の目的を果たすことはできない、

 ロビーで夜を明かす人々を横目にそんなことを考えてしまう。


 自分の時の流れと周囲の人間とでは時の流れこそ同じでも、客観的に見れば違うことを理解できていないのだ。

 そうでなければ、気づけたこともあったはずなのだ。

 それが、後に影響を与えるとは微塵も思わなおい。 

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