第826話「経験∞終わらない」

 これから先のことを考えるよりも、今この瞬間のことを考えなくてはならない。

 皆が戻ってくる場所にいるという安心感と、ここを守らければ後がないという思いがせめぎあう。

 それを知っている。


「知られてしまったのも一度や二度じゃないけど、君が動きを止めて攻撃をやめたのはそんなに多くはなかった……。百回くらい? 疲れるよね」


「流石にボクも楽しめる気がしないよ」


「まあ、それでもそれほどつまらなくもなかったんだけどね。はじめのうちは」


「百回で少ないことと、パターンが数百……数億、数兆考えてみると、わくわくする……」


「味わってみないとわからないこともあるってことだけど、若しかしたら同じことを経験するかもね」


「遠慮しておくよ。ボクにはやらなければならないしね」

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