第778話「夜のとばりのなかで」

 夜日が沈んでからの犯罪件数はこの世界でも多い。 

 治安がどれだけ良い街でも絶対はなく、日中と違い人気のなさがそのまま危険に直結する。

 飲食店も法律で夜遅くまで営業できない。


 24時間営業などしている店はない。

 夜に出歩く人が全くと言っていいほどいないのだから問題はない。

 不満を言う人間もいない。


 ならば、夜に出歩く人間は何かしら厄介事を抱えていると言ってもいい。

 夜の町を歩くのが趣味だなんて者も、リスクを冒してまではしない。

 そこに溶け込める少年がいた。

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