第770話「間違えない為に」

 今撒いた種がもたらす混乱が必ず俺達を救う。

 行動を起こさなければいかなる結果も生まないが、些細な波紋さえも早い段階であれば辿り着くころには大きな波になって向こう岸に届くことを信じて。

 アスにはこれから独自に動いてもらう。


「俺は戻る。結果も過程も問わない。後は好きなようにやってくれればいい」


「もともと、死んでいたようなものだし……好きなようにしてみるのもいいかな」


「間違えるな。今までもこれからも」


「間違えかあ。兄ちゃんは間違えないの?」


 皮肉ではなく純粋に問われたように感じた。

 

「スペラにも同じようなことを言われたが、自分を信じていればいい」


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る