第760話「ミステリアスな少年」

 不特定多数の人たちがいる中で今後を占う話をしていることなど誰が想像するだろうか。

 当人でさえも今がその時である自覚はない。

 何も重大なことが決まるのは会議室や、公の場だけなんてことはあるはずがない。

 

「目が合ったのって初めてだから」


「それがどうしたとは言えないな……」


「見る目がなかった……、なんてことはあるはずないからさ」


「そういう事だ。俺が仮に適当に声をかけたとするならば、同じように視線を向ける奴位はいたはずだ。それが全くなく生きてきたってのは普通じゃないよな」


 才能なんて、一言で終わらせるには惜しい。

 

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