第757話「動き出せ」

 今日という日が早くも終わろうとしていた。

 異空間に囚われている間は時間は一切流れていない。

 それでも、世界は息づいている。


 限りなく停止された世界から、一秒の時の流れは激流の感じられる。

 時が止まらぬように俺も止まれない。

 闇が指し示す先には、何が有る。


 このまま人ごみに紛れて風景の一つとなりたい。

 帰りたくはない。

 真実なのかどうかも定かではない。


 それを抱えたまま、皆の元に帰る事なんてできはしない。

 行動を起こすことは辛い。

 まるで、周囲からあざ笑われているかのように思う。


 人の目なんて気にしていたのか。

 俺は英雄ではない。

 このまま、進んだ先には確実に地獄が待っている。


 


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