第733話「選ぶ権利がある」

 ルナに残ってもらったのも、バニティー形見になってしまった武器を見ていられなかったからでもある。

 ほんの数時間前まで会話をしていたというのに、一瞬で未来を絶たれたのだ。

 どうにもならない。


 何もできないというのとは違う。

 この運命を切り開くことがどれほど困難なのか、誰にも分らない。

 生きることは簡単ではない。


 失うのにはこんなに簡単だというのに。

 どうしても答えは出ない。

 スミレには選ぶ権利がある、

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