第710話「国は国民の為に」
「いつもこんなに混んでいるものなのか?」
「平日はいつもこんな感じ。仕事が休みになると外を出歩く人はほとんどいなくなる」
「業種によって休みの日は違っていないのか? 皆同じ日に休みになれば食事に困る人も出そうだが」
「国軍人でもないかぎりはみんな同じ日が休みだけど。ん? 不思議なことをきくんだ」
「タイミングの問題はあるかもしれないが、今までの村も、町も毎日休んでる様子もなかったが。そういえば宿はどうなんだ、休みの日は……」
言いかけて気がつく。
必要十分条件を満たす答えは、今までの対応と合点がいく。
それは、
「国の管轄だから、働いているのも国から直属の役人。この国は税金で働く人間は給金こそ高額だけど、国民が住みやすいように配慮されている」
「なるほどな。通りで国民の国への不満が聞こえないわけだ」
税金で働いている以上、国民第一主義を貫いている。
だからこそ、国民は税金を支払う事も休みの日を一斉にとることにも問題がおきない。
元の世界とは全く逆である。
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