第697話「譲歩はするさ」

 本来ならば事細かく情報交換などせずとも良いのだろうが、今回ばかりはそうは言ってられない。

 バニティーとはうまくやってきたつもりである。

 少なくとも命のやり取りをする関係であるなんて思っていない。

 

 万が一にも全てが終わった後に全てはこの少女の妄想の産物出下では取り返しがつかない。

 最終的に結論を出すのならばなおさらであるだろう。

 誰が打ち取ろうと責任を取るのはパーティーをまとめている俺だ。


 皆、責任を俺に押し付けることはなく寧ろ進んで行動に移す仲間たちだ。

 ならば、汚名も恨み言も謹んで受け入れて見せる。

 それでも、未然に防げるのならばその限りではない。


「言いたくても……いう事が出来ない!! こうなることがわかってて、決定的なことを言う事が出来ないようにされているんだよ!!」


「協力を求めるのはよくて、自分の情報はブロックするなんて器用な真似ができるってのかよ!?」


 ならばどうする。

 

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