第671話「くずはない」
服飾関係の店は店の比率で言えばかなり多い。
量産体制が整っているわけではないらしく、一品ものがほとんどであった。
籠に無造作に入れられた、穴が開いていたり明らかに素人が縫ったであろうものは格安でウあられていた。
これらはプロと呼ぶには些か技術が足りていないものの作品であろう。
捨てることもなく格安とはいえ販売されている事に意味がある。
あまりにひどいものは半ば服というより布切れとしか言えないが、やはり使われる人の元へ行く仕組みとなっている事に意味があるのだ
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