第551話「旋廻するシルエット」

 丘の上に辿り着いたというのに、僅かに離れた場所すら物陰になっていれば油断はできない。

 隠れる場所がある以上は警戒を怠れない。

 まだ敵の反応が周囲にあるが、何か嫌な予感がする。


 その時空が赤く光るのが見えた。

 空中から火球が流星群のように次々に降り注ぐ。

 高温による熱風と、火球特有の衣の擦れる様な音が俺達のすぐ近くで聞こえてくる。


 直撃こそしなかったもののその衝撃から衝撃と、瓦礫が俺達を襲う。

 空高くには旋廻する翼のシルエットが沈みゆく夕日に照らされていた。

  

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