第540話「制御できない力」
自分の力を制御できていないがために起こったことだが、問題はそこではない。
仲間が全員ほぼ同じ位置から向こう岸へと跳んだとはいえ、僅かに力を込めたくらいで地面をえぐるようなことにはならなかっただろう。
俺の力はどういうわけか格段に増して、付け加えて言えば潜在能力ともいうべき能力も制御を越えて露わになってきていた。
普段の生活に支障をきたすことが無いのは元の世界の能力が基本であるからである。
そうでなければ、歩くたびに地面が割れ、息をすれば大気が震え、腕を振れば山が吹き飛びかねない。
無論、力を制御できずに身体が耐えられるわけはない。
力を振るうたびに何等かの代償を払っているのだ。
多かれ少なかれと言えば聞こえは良いが、大きすぎれば反動もまた大きいのだから振れ幅が増せば取り返しのつかないことになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます