第498話「同じように見えて……」
海岸に出てみればそこに広がる景色は元の世界のそれと何も変わらない。
はずもなく、遠目ではあるものの明らかに俺達よりも巨大な怪物とそれと対等に渡り合う船のようなものが見える。
どちらも全くと言っていいほどの攻防を繰り広げている。
その余波が森にまで届いていた為に思わぬ被害が生じていたのだが、彼らは気付くことはないのだろう。
水しぶきとすっかり晴れたというのに水蒸気が立ち昇り続ける中で、轟音はそれ以上に存在感を引き立てる。
心臓にも震えが伝わってくる程の臨場感が現実であることを思い知らせて来る。
「行くんでしょ?」
「そのつもりなんだが……。ここに来るまでにスペラに会わなかったよな?」
「うん……」
「……」
ユイナは一言、頷いてから俺の言った意味を改めて思い返しているようだった。
無論、バニティーも理解したうえで辺りを見渡すがその瞳に猫耳少女を捉えることはない。
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