第497話「行間だというならば」

 誰一人として戦闘の訓練など受けていない俺達は的確な判断がてきているという、明確な根拠がないまま動いている。

 結果として誰も命を落とすことになっていないが追われる立場になっている以上明らかに不利であるのも事実である。

 敵はこちらに殺意があるにしろ、捉える意思があるのしろこちらとしては追手の殲滅に注視していないのだからデメリットこそあれメリットが無いのだ。


 仮に相手の親玉を倒しても得られるものが無いのに、別の勢力が取って代わるとすれば何一つ変わりはしない。

 まして、今海に向かうのも北へ向かう為の経路を知り願わくばその道を確保する為なのだ。

 ここで敢えて第三者のいざこざへ介入したことで結果として次につながる可能性があるからに他ならない。

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