第490話「おいてけぼり……」

 再び連携した獣人達は海岸からの合流を果たすと再び来た道を戻っていくという、傍から見れば些か珍妙な行動といえなくもないのだが今は構っている余裕はない。

 あれだけ深かった霧も周囲5メートル程であれば普段とさほど変わらない程視界が良くなっている。

 最早ここまでくると、こちらから見えるものは敵からも同等以上に見えていると考えたほうが良い。


 時間の経過は傷の治癒にも一役買ってくれた。

 プラスマイナスゼロとはいかなくとも得られるものが僅かにでもあれば、十分目的は達せられたと言っていい。

 周囲の気配が完全に無くなるのを見計らうと高台から滑空するように、アマト達の元へと舞い戻る。

 

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