第480話「気嵐」
気嵐というにはあまりにも深すぎる霧に辛うじて見えているシルエットですら見落としそうになる。
時たまに両者の攻撃が今なお争いの真っ只中であることを知らせるにとどめていた。
一気に森から飛び出せばそこはきめ細かい砂浜が広がる海岸が広がっていた。
「にゃっ!?」
思わず声が出てしまう。
足の裏へ伝わるその感触は繊細でいて悪くはないと感じる。
ただそれだけで。
すぐに周囲の何者かに察知されていないか確認し、見つかっていないことを認めると海へとゆっくり向かって行く。
さざ波が聞こえ、もうすぐそばまで迫っている事に気づく。
不意に波が素足に跳ねる。
ここから先は視界を遮るものがない世界が広がっていると聞いている。
アマトとユイナは海を知っていると言っていた。
それならば必要な情報は縛る必要があるのだ。
そこを見極めて伝えることで信頼を勝ち取れることを知っている。
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