第469話「白き霧の予兆」
歩く速さが思っていたよりも遅くならないことに気が付いた。
恐怖感が薄れているからか、平衡感覚が常人のそれでないからか視界が悪いというのに普段のそれと変わった気がしないのだ。
躓くこともあるが、立て直す事が動作の一部となっている為慌てふためくこともない。
足を取られることがあるのは油断に他ならない。
意識していればそれすらも無くなるやも知れない。
それでも、目を閉じたまま森を歩いているようなものであることに違いなどない。
しかしながら、暗闇と純白の世界とではこうも違うものなのか。
同じ視界の悪さでも光があるのと無いのとでは人の心に与える影響は計り知れない。
不安こそあっても恐怖に直結しないのは身をもって知っている。
「こんなところをモンスターに襲われたらどうしたらいいかな。あんまり考えたくないけど……」
「そうならないようにスペラに見張りを任せてはいるわけだが、うまくはいかないよな。できればこちらから打って出るようにしたいところだが……」
「ディアナは結界から出た後
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