第453話「慣れるものか」

 ユイナとスペラが戻って来た。

 顔色も幾分か良くなっているように見える。

 この分ならば全快するまでにそれほど時間はかからないだろう。


「ユイナ、もう大丈夫なのか? 辛いならもう少し休んでいこうと思っているけどどうする」


「もう、大丈夫だから行きましょう。あんまりここにいるのも危ないし、少しでも早くふかふかのベッドで寝たいしね」


「ユイナがそういうならいいんだけど……。無理はしないでくれ」


「ありがとう」


 少しの休憩と言っても気がつけば一時間を過ぎていた。

 それが意味することは精神的な負担の大きさに他ならない。

 冷静さを取り戻すために、事の重大さに気が付く為に要した時間に比例した。


 それでも割り切ることなど出来はしないのだから二度目が無いことを祈っていた。 




 

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