第433話「あれは生きている」

 乱戦状態に突入するのは目に見えていたというのに、こうも落ち着いてられるのは神の一柱と邂逅直後であった為なのか。

 それにしてもだ。

 ここにきて明らかに毛色の違うモンスターがちらほらと混ざっている。


 特徴としては人工物のようにも見えるブリキの馬のようなモンスターだ。

 ブリキというと一昔前まではゼンマイ仕掛けのおもちゃが流行ったのだが、最近ではその存在は薄れつつあった。

 海外ではオルゴールの需要とともに今でも愛好家は多い。

 

 これはどちらかというと決まった動作で、配膳をして帰っていく類の規則性のあるモノとは一線を画している。

 不規則でありながらも一定の規則性を有するところが、生物の本質に即しているのだ。

 一種の癖と言えばわかりやすいだろう。


 あれは生きている。

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