第429話「願望なんてものは……」


 人が出入りした形跡がないとしても、巨大ロボットが存在しているのだからこの辺りに侵入してきてもおかしくはないと思うのだが現実はそう甘くはないのだと知っている。

 数十メートルの巨体だとしても、森のゴーレムでさえも生身の人間と戦を行えば必ずしも勝てるわけではないのだ。

 原始林などという何がいるかわからない場所では安心なぞできようはずもない。


 神生物なんてものの前ではがらくたも同然。

 少なくとも先日戦った量産型のおもちゃでは到底かなうはずもない。

 少し便利な乗り物程度という認識からはたまた動く棺桶とでもいうべきか。

 あれが全てではないと思いたいという願望もあるが、それを認めたくはない。

 

 


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る