第408話「登山開始」
終始楽しい話題もないままひたすらに前へ前へと前進あるのみ。
気がつけば30kmは休まず駆け抜けていた。
近いようで中々の距離であるのは言うまでもない。
疲れていないかと問われれば、誰一人といて疲労を否定することはないだろう。
それでも元の世界の数百分の一の疲労感しか感じてはいない。
無理をすれば数日は走り続けられるとさえ思えるのだから、根本から摂理が違ってしまっている。
「少しずつ傾斜がきつくなってきてるような気がするかな。スペラはしっかりついていけてるみたいだけど、私は山登りなんてしたことないから、もう転ばないようにするだけでもやっとなんだけど……。ルナは平気なの」
「大丈夫って言いたいけど、思ってる以上に身体はついていけてないよ。アマト君におんぶしてもらわないといけなくなるかもね」
「そうしたいのはやまやまだけど、どっちかだけなんて不公平なこと出来ないだろ? まあ、あれだ。歩け」
ルナが疲れを感じていることは予想の範疇ではあったものの、ユイナも疲労を感じていることに違和感を感じた。
確かに、だんだんと斜面を登っているような感覚があるが山登りの経験がない為に今の状況をまるで分っていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます