第364話「何時だって覚醒はもたらす」
一瞬意識が身体から離れたような錯覚と走馬灯のように過去の記憶が呼び起こされた感覚が何とも言えない高揚感となった。
魂が解き放たれたように錯覚をしたのは気のせいなどではなかった。
飛び掛かってきたはずの牛狼は黒焦げになり横たわっている。
それをやったのはスペラでありスペラではない。
意識を失っていたスペラの代わりに自在にさまよっていた分身体によるものだとすぐに認識できた。
何せ自分によく似た姿の少女がそこに立っていたのだから。
しかし、その瞳は冷たく殺戮をも厭わないだろうことは感じ取れる。
今しがた脳裏によぎったアマトの表情によく似ていた。
スペラは魔力を使い果たしたというのに目の前に現れたそれは、魔法を行使して見せた。
それがなにを意味しているのかスペラには理解など出来ようはずもなかった。
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