第357話「悪くはない」

「スペラを追え……ええい、ちょっと行ってくる。みんなは、っつ」


 背中にはなじみのないない感触がする。

 言いえて妙だが、悪くない。

 傍から見れば羨ましくも憎らしいのではないだろうか。


 そして耳もとでこうささやくのだから。

 なんとも幸福と抵抗できない歯がゆさに顔が熱くなる。


「私に任せてください、アマトさん。それにそろそろ学習していただかないいけないと思いますよ?」


「……」


「ふふ、任せてください」


 全く冗談ではない。

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