第327話「辿りつければ」

 建物の外に出ると深い森が一層深みを増していた。

 この辺りの天気も変わりやすいのだろうか、まだ日は高いはずなのに今にも一降りあってもおかしくなどない。

 しかし、南北を分断されてしまったためにこれから向かう先が東へと限定されてしまっている俺達にはこの状況は芳しくはないのだ。


「このまま北にいけないことは知っているのか?」


「んだ。おらも気になってみてきたが、あれは駄目だ。東の端さ行くしかねえが」


 東に行けば行くほど若干ではあるのだが幅が狭まっていることは確認できている。このまま海にたどり着くまでに向こう岸に渡れるほど幅が狭いか、完全に分断されていない地点にを見つけさえすればいい

 そうでなければこちらのルートを選択したこと自体が間違いだったという事なのだから。

 

 

 



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る