第323話「まるで虫よけ」
新たな同行者となったバニティー。
あたかも今しがたまで共にいたかのように、準備は万全。荷物は既に麻袋に詰め込まれていた。
鍛冶に使うのかその荷物の量も俺達の誰よりも多い。
にもかかわらず、腕の先だけで軽軽と持ち上げてみせたのだからその力は圧巻である。
全力を出せば馬車だろうがいとも簡単に持ち上げてしまいそうだ。
この世界の馬車は軽量化などされている風でもなかったのだが、不思議と違和感などなかった。
「家を空ける事になるが大丈夫なのか? もうこの家を守るものはないんだろ」
「んだ。もうここは安全でないが。それでもモンスターさ嫌がるところなのはちげーねえ」
「その根拠は?」
「壁さ、描いた絵だが。あれはどうもモンスターが嫌がるみたいだが」
「魔力が込められてるからね。その魔力も特にモンスターが嫌う類の匂いっていうんだからつくづく笑えないよ」
ルナが言うにはバニティーが描く絵には虫よけの効果があるらしい。
俺には魔力が込められているところまでしかわからないが、魔力にも何らかの性質があるということだ。
これは使えないだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます