第300話「猫耳眠り姫」
スペラはまるで死んだように深い眠りについたまま起きる様子はない。
毛深い男が俺に使ったものとは違う深い緑色の水をスペラの口に流し込む。
眠っている人間に飲ませるのは危険だと思うのだが、よく見てみると液体はすぐに気化して舌にさえ直接触れてはいなかった。
どうやらある一定の量以下では液体ではなくなる特性があるようだ。
完全に密封された筒から出てきたわけではないので、空気に触れたら気化するというものではないことがわかる。
どの程度効果があるのか定かではないがまだ目を覚ます気配はない。
「それは俺達に使った薬ではないようだが、効果はあるのか?」
「んだ。こんでねえと三日三晩眠ったまんま起きねーよ。だども、すんぐ起きるわけねーんだが」
「はぁ!?」
思わず声が裏返っていた。
効果の程が怪しくなってきたからなのだが、結局のところ試して見なければどうすることもできないのだから早く目を覚ますことを祈るしかない。
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