第270話「繋がり」

 クールダウンした俺の頭は冷静に物事を考えていた。

 足は止まり、全てがばかばかしくなる。

 先程、感じた三人は無事だという感覚はパーティーとしてのつながりがあってこその必然的なサインであった。

 

 冷静さを欠いていれば当たり前のことも当たり前ではなくなってしまう。

 それをこんな形で実感することになるなど、まだまだ精神面では幼いと自覚したのだった。


「三人は無事だ……って言う必要もないよな。それはディアナもも知っているだろうし、敢えて俺に付き合ってくれたんだから。取り乱して、悪かった」


「アマトさんには悪いと思いますが、人間味があって好きですよ。数百年も目新しいことがないと新しいことを経験しても退屈なのは変わらなかったにで。今生きてるって感じます」


 ディアナは優しげに微笑んでくれた。

 人に笑顔を向けられるというのはやはり、いいものだと思う。

 それが、心のよりどころになるのだと思えば咎もなくなると感じた。

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