第268話「マネジャー」

  やはり見えざる脅威に対して臆していると言えばそれまでだが、頭の片隅で急ぐ必要などないと冷静に答えを出してしまっている節があった。

 それが仲間を見捨てた末の結論だというのであれば非常だと言うほかないだろう。


 だが、そうではない。

 直感で物事を考えることが悪いわけではないが、論理的でなければマネジャー足りえない。

 今の自分はグループの一員という立場ではない。


 ここにいない者達を導くリーダーなのだから、踵を返すことなく任せて然るべきだというのに心配して任務を放棄したのだ。

 今していること全てがルール違反である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る