第252話「さてと、狩りをはじめよう」
超人のような能力があろうが現代社会を生きてきたものならばわかるだろう。
携帯電話のような連絡手段が何のにもかかわらず単独で行動する意味を。
「どうしたのにゃ!? そんなに慌てて、びっくりしたにゃ」
「驚いてるのは周りだ。よく見てみろ」
「にゃははは」
猫の手を作って頭をコツンとして笑うスペラに本気で怒る気もなく失せ、俺はただ頭を抱える。
そんな俺にルナが助け舟を出してくれた。
「ボクとスペラちゃんとユイナちゃんで北の方を中心に回って、アマト君とディアナは南の方を廻るってことでいいんじゃないかな? 時間の感覚が正確なのはボクとアマト君だけだし、本当はダーリンと離れるのは辛いけど今回は涙を拭っておくとするよ。とりあえず二時間後にあそこの倒れた大木に集まればいいよね?」
「俺は賛成だ。みんなは……」
「私も賛成。できればあんまりばらばらにならない方がいいと思うから」
「そうですね。単独で行動して何かあった時のことを考えれば最善だと思います」
「時間も惜しい。くれぐれもスペラが無茶しないように見ていてくれ」
「子供じゃないのにゃ!! 心配は無用にゃ」
俺は二人に念を押すように目配せをした。
ユイナもスペラのストッパーになってくれるという事をウィンクで返してくれた。
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