第231話「にゃっ!!」
そんな普段とのギャップも相まって僅かでもよからぬことを考えてしまった自分に嫌気がさす。
冷静であれと常に自分に言い聞かせてきたというのに、免疫がないと土壇場でハニートラップに引っかかりかねない。
そうでなくてもここは戦乱の真っ只中なのだから気は引き締めていかねばならないという。
美少女を手中にうんざりしているという奇妙な構図は何とも不自然極まりない。
このまま時が止まってしまえば幸せなまま天にも召される想いをを抱きつつ逝けるのだろうか。
死を思えとは先人はよく言ったものだ。
「みゃーー!! ユーニャだけずるいにゃ!!」
目覚めたばかりのスペラが叫び、俺の横っ腹にタックルをかましがっちりとしがみついて来た。
「うぐっ……。さっきまでしがみついてただろ」
「一人で寝てたにゃ」
「嘘つけ、じゃあどのベッドから起きてきたのか言ってみろよ」
「にゃっ!!」
振り返って気づいたのだろう。時分が眠るときに使ったベッドと、今しがた這い出たベッドが違うという相似に……。
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