第228話「次はどうなる……雲行き時雨」

 再び深い眠りに落ちていたのだろうか、横になったまま時が過ぎていた。

 日はすっかり昇り隙間から明かりが部屋の中を照らす。 

 どうしてこのタイミングで目が覚めたのかを全身に突き刺さるような殺気が物語っている。


 わかってはいた。

 毎度のことなのだから、知らないふりをしたところで身体は正直なようで全身かわ冷や汗が噴き出す。

 もうそろそろ慣れてもいい頃だと思いたいがそれを許さない。


「おはよう、アマトくん」


「……」


「おはよう、アマト」


 なぜ、二度も言った。

 それにアクセントも敬称も相まって恐ろしさに磨きがかかっている。


「おはよう、ユイナさん」


「本当にアマトは見境がないみたいだね。そういう病気なのかな?」


「俺が悪いのか……」


 なんだか理不尽な追及に肩を落としてあおむけに倒れてふて寝を決め込んだ。 

 

 


 

  




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