第205話「二人の魂」

 それこそがおごりというもの。

 どれだけ優れた人間であろうと知らないものは知らないし、発想する感性も人の数だけある。

 それに至らないのは、云わばちっぽけなプライドがあるからだ。


「ルナ、俺を助けてくれ!!」


「それが鍵!!」


「「契約により我は今、ここにあり。そして、これからも永久に有り続けよう」」


 二人は心から分かり合う事ができた瞬間。

 それと同時に、ルナが言った意味を理解した。

 互いに互いの全ての意識が交差し、共有することで本当の意味で一つになる。


「行くぞ」


「了解!!」


 ユイナ達がいるはずの方向から西の森へと進路を変えて全力で走る。

 俺は全身にこれまで味わった事のない激痛と、熱を感じていたがこれが二人の意識がリンクしている状態だと最初から知っていたかのように受け入れていた。

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