第176話「違和感」

 それに、いるのはわかっているのだが言葉を一切発することがない為に何とも言えぬ不気味さがある。

 何らかの言葉が聞ければそこからある程度推測することができるのだが、一切言葉は離さず息遣いも聞こえてこないことで性別も年齢もわからない。


(ったく、一言くらい声をかけてきてもよさそうなものだけどな)


 至近距離では、矢を躱すことは難しい。

 傷が痛むふりをして辛そうに軽く膝を曲げて立つことで油断を誘う事にする。

 傷は再生能力によりもうある程度塞がっている。


 生身の人間ならば胸を矢が射抜くようなことがあれば致命傷にもなり兼ねない。レベルが高ければ矢もはじくのだろうかと勝手な想像をしていた。

 そこでふとおかしなことに気が付いた。

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