第175話「正体不明」
森の中のような場所では狙うことは出来ない。即ち、西の高い山と麓から伸びる森からとは考えられなかった。
その結果、南と東に当りをつけていたが、まさか見えざる秘術のようなものを使う輩とまでは予想していなかった。
「ずいぶんと好き勝手やってくれたな。特に、その見えない矢はどういうからくりなのか向学の為にも教えてもらえるとありがたいんだけど」
「……」
「黙ってないで何とか言ったらどうだ!? 悪いがお前の……。ぐっ」
胸を激痛が走り抜ける。
何かが刺さったようなような感覚がある。引き抜こうとするが空をきった。
胸からは血が流れ落ちているのがわかる。
しかし、胸には傷痕こそあるが凶器となった物はすでになかった。
今まで矢が地面に落ちるところは水しぶきで確認はしていたが回収することは愚か、ふれることさえできなかった。
矢そのものが術によるものなのか、実態を維持していられない類のものなのか推測の域をでない。
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