第150話「魔神の猛攻」

 暗雲蠢く上空で繰り広げられるのは一方的な猛攻と、それを紙一重で躱す軽やかなステップで踊る悪魔の演武。一向に攻撃に打って出ることのないルナの方が傍から見れば押されているように見えるだろ。

 しかし、ルナは少ない動作のみで躱すにとどまっており体力の消耗もなく何か行動を起こそうとしているのかもわからないと言った完全な未知数を装っている。


 これは素直に眺めていても結果までは予想することは出来ないだろう。

 魔神はそれでも攻撃の手を休めることなく氷の刃を飛ばし、牽制しつつも際どく斬りつけてくる。

 剣そのものの技術はさして脅威ではないものの魔法を多様化した戦法は確実に、ルナへと迫りつつある。

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