第4話 独特の立ち回り

 オンライン対戦に入り、数日が経過した。

 基本コンボや立ち回りもある程度は分かってきたのである。

 しかし、ここで新たな壁が出てきたのである。

 

 近づくためにはどうしたらいいのか?

 このバングと言うのは、近接~中距離用の技を中心に持っている。 遠距離用の技もないことは無いのだが、オールラウンダーのキャラや遠距離中心のキャラに見劣りするし、バングは特殊で数も制限されている。


 それならばと、距離を詰めようと空中ダッシュして相手との距離を縮めようとしたのだが、無敵技や対空技などでよく落とされていた。 そこで、どうすればいいのか考えていた。


 飛んだら、対空の餌食になり、地上には相手の飛び道具がある。 対空には無敵がついてるのもあるし……。

 そこで、私はハッと気が付いたのだ。


 あった! が!

 そこには二つの方法があった。

 まずはバングのDボタンである。 バングのDボタンはGPガードポイントという特殊な技である。

 

 このGPと言うのは、簡単に言うと打撃技をガードしながら攻撃を出すという技で、相手の攻撃を受け止めながら、打撃技を出すのだ。 これには弱点もあり、打撃技ということもあって投げに弱い。

 そして、必殺技の一つに〈バング瞬間移動の術〉がある。 この技はGPが成立したときに瞬間移動する技だ。

 つまり、相手の飛び道具をガードして、懐に入り込むことが可能になる。


 そして、もう一つが無敵技である。

 バングに無敵技があるかどうかを調べたらあったのだ! ある必殺技が!

 萬駆活殺大噴火(通称…大噴火)である。

 この大噴火は長い無敵時間を持っており、飛び道具がなかったかのように向かっていくことができるのだ。 ただし、これは超必殺技の分類にあるのでゲージが必用なので多用はできないという事だ。


 そして、オンライン対戦に入り、さっそく試したのだ。

 相手の飛び道具を見てから、

「今だ!」

 私のバングは大噴火を出したのである。 すると、バングは飛び道具を抜けて、相手に体当たりを決め、乱舞技を決める。 この時は本当に嬉しかった。 自分の考えが合っていたんだという喜びがあった。


 このとき、勉強になったのが相手の動きを見ることである。

 相手は○○を出したら返せる、ここはガードなどの選択肢が増えたのである。

 相手の動きを見ることがとても重要なことが分かった。


 そして、私は新しい武器のDボタンと大噴火を手に入れたのである。

 その後で身内の対戦に入ると、結構言われたのが、

「このバング、動きが分からん!」

「そこでGP!?」

「そんなとこで大噴火!?」

 などなどと色々言われて、身内からはこう言われたことがある。


 独特な立ち回り


 また、ある人は大噴火の命中率を見てこう言った。

 

 計算されつくしたぶっぱと……。


 

 

 

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