─5─

「ただいまぁ~」

「あら、おかえりなさいアリス」


 居間に居る母さんに声を掛けると、今晩も母さんはスカイプをやっていた。一緒に父さんも居る。


「アリス、今晩は父さんも参加するから覚悟しろよ!」

「は、ハハ……お手柔らかに…」

「何を言ってるの? それを言いたいのは、こっちよ。

あ、ごめなさい。今ね、丁度うちの娘が帰って来たところなの。

うんうん、じゃあまたあとでねぇー」


 母さんはそう言って、スカイプを閉じた。


「……別に気にしないで、会話続けてても良かったのに」

「いやよ。うちの勢力の情報とか、うっかり喋ったら大変だもの」

「ハハハ! あのアリスがまさかのスパイかぁ?

アリス、お前最近そういうことも出来るようになったのか? 大した進歩じゃないか!」


「──す、スパイとかそういうのはやってないので……!」

「やってないというよりも、『出来ない』の間違いでしょう? あなたの場合は」

「ハハ、まぁアリスのことだからそんな所だろうね?」



 ──ぐは! グサッ!!



 あ、当たってるけど……な、なんか悔しいなぁあー!!



 そんなこんなで久し振りに父さんを交え賑やかにご飯って、風呂でクタクタァ~と入って、自分の部屋へと戻る。

 時計を見ると、20時少し前だった。


「……まだ少し早いけど、今晩は早めに入るかな?」


 そんな訳で、早速いつものようにノートパソコンを起動し、棚からヘッドギアとスーツにシューズを慌てて取り出し、いつものように一つ一つチェック確認を開始!


「ヘッドギアよし!

グローブよし!

スーツよし!

シューズよし!

A・F起動よし!

ドリンクは開始直前なので、『準備のみ』でレッツよし!」


 そんな訳で今晩も、通常ログインでアストガルド・ファンタジーの世界へと降り立つ。

 そしてマップ確認し、仲間の居る集合場所へと向かい走った。

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